万葉仮名篆刻について
〈略歴〉
富山県富山市生まれ
中国美術学院大学院中国画系書法科修士課程修了
越中のアトリエ「越庵KOSHIAN」で制作中
「万葉仮名篆刻」に辿りつくまで…
「万葉仮名」とは、漢字の音、意味、形を借りて、日本語を漢字のみで表記する手法。日本最古の歌集『万葉集』がこの手法で書かれていることから「万葉仮名」と呼ばれています。
『万葉集』は、現代では読みやすい「漢字かな交じり文」として表記されていますが、もともとはすべて漢字で記されていました。つまり、当時の歌人・柿本人麻呂、山上憶良、大伴家持らは、日本語の音を漢字に当てはめる「当て字」に奔走していたのです。
近年、子どもの名前を見るにつけ「万葉歌のようだなぁ」と感じます。 親御さんたちは我が子のために、日本語の音にピッタリくる意味や形の漢字探しに奔走しています。これは…日本人のDNAに組み込まれているのでしょうか!?原点回帰しているように思えてなりません。
かくいう私もそうです。 『万葉集』を編纂した大伴家持が越中に赴任していたことから、子どもの頃は学校で「万葉百首かるた大会」が行われました。また、そこかしこに家持公の石碑があり、万葉歌と触れる機会に恵まれました。しかし、大人になるまで『万葉集』が漢字表記だったとは知りませんでした!
万葉歌を書き記した万葉人たちは、その「表記」にさまざまな思いを込めて、さまざまな工夫をしています。それが本当におもしろい!万葉人も現代人も「人の心」は変わらないものですね。
そして、漢字表記の万葉歌を篆刻(てんこく)や書作品にしているうちに、だんだん自分自身の感覚にピッタリくる漢字探しを始めていました。これも遺伝子のなせるわざなのでしょうか…。
コロナ禍中においては、ベートーベン の生誕250周年を迎えたことで、ドイツ語に漢字を当てはめる「万葉仮名で第九を創る」というテーマに取り組みました。万葉仮名の手法を用いて古代文字で表現しています。
この古くて新しい「万葉仮名による手法」に、「万葉仮名篆刻」と名を付けました。 しばらくは、この「万葉仮名篆刻」に奔走したいと思っております。 これもDNAのなせるわざでしょうか??
※予定は変更になることがございます
2006 槇 冬菫 書と印と 東京:O(オー)美術館
2007 越中アートフェスタ奨励賞 富山:県民会館
2008 書と非書の際展
(京都:ART FORUM JARFO等/~'13)
2008 槇 冬菫篆刻作品展
(富山:北日本新聞社砺波支社)
2010 百鬼夜行展 東京:ギャラリー上原
2010 槇 冬菫展 印のかたち
(京都:GALLERYはねうさぎ)
2011 槇 冬菫 書と篆刻展
(埼玉:伊勢丹浦和店/~'19)
2012 the mono show
(上海:M50創意空間半島1919)
2013 Blooming展 東京:ギャラリー上原
2015 花ひらくとき 埼玉:伊勢丹浦和店
2017 槇 冬菫 書と篆刻展 富山:みかん堂
2019 書と非書の際展
(京都:JARFO ART SQUARE等/~'24)
2019 万葉を書く 富山:高岡市万葉歴史館
2019 槇 冬菫 書と篆刻展 東京:ヒルトン東京
2020 槇 冬菫展 京都:JARFO京・文博
2021 陶木村恭子×盛上書槇冬菫 富山:みかん堂
2021 TheRostock-KyotoArt-RainbowProject
(ドイツ:Societät Rostock maritim e.V.)
2022 書と非書の際展
(三重:赤井家、入交家、史跡旧崇広堂)
2022 変奏曲を編む 刊行記念展
(東京、京都、福岡、仙台巡回)
2022 槇 冬菫展 東京:ヒルトピア
2022 富山市展installation部門奨励賞
(富山:旧小羽小学校)
2022 LANP展
(京都:JARFO ART SQUARE等/~'23)
2023 アート・イン・かいにょ苑
(富山:かいにょ苑、みかん堂)
2023 変奏曲を編む 大阪:阪神百貨店・梅田
2023 NEXTGENERATIONS広島:福屋・八丁堀
2024 春をいざなう絵画展 大阪:千里阪急
2024 アート・イン・かいにょ苑
その他の活動
・辻利(日本茶メーカー)パッケージ印
・『変奏曲を編む』(求龍堂刊)作品掲載
・パブリックコレクション
(Societät Rostock maritim e.V.)
・自主学校「遊」篆刻指導
・書初めのワークショップ 2012年(大船渡:ChildFundJapan主催、富山:砺波市美術館)